時にこれはちょっとな作品もあったが、回を重ねる毎に「大人も子供も楽しめるドラ映画とはどういうものか」を追求している感が伝わってくる。
今年の「のび太の大魔境−ペコと5人の探検隊−」はまさしくリメイクに相応しい出来ばえだったんじゃないかと思う。

無理に新キャラを出したり、変にストーリーをいじったりせず、自分が子供の頃に観た大魔境そのものであった。
かと言って全くそのままではなく、原作ではさらりと流したカットに深みを入れたり、「ここは人間が1度も立ち入った事のない秘境」という世界観を更に広げたり、旧作では表現できなかったであろう技法を積極的に取り入れたりして最後までワクワクして観ることができた。
スタッフさんも旧作や原作を徹底的に調査して、不二雄さんが「ああ、いいんじゃないですか」と言ってもらえるよう敬意を払ったリメイク大魔境に仕上げたんだなと感じた。
ここまで安心して観れる映画はそう多くない。
ちょっと小ネタを。
「この崖、東京タワーより高いんじゃないの!?」というセリフがあるのだが、現代版なら「スカイツリーより高い」じゃなかろうか(笑)。
まあ設定が300メートルだったのか、それとも原作に忠実でありたい心境の表れだったのか、それとも名前を使うとお金が(略)真相は分からないが何かクスッとなってしまったカットであった。