2013年01月20日

「聖地巡礼」ということ

とある邦画が公開されてからイタリアのフィレンツェに観光客が増えたそうだ。
同じ場所に行ってみたい!同じカットの写真を撮りたい!というのが主な目的である。
これが所謂「聖地巡礼」というもので、映画やドラマ、アニメや漫画など様々な作品に当てはまる。
ロケを直接見に行くとはまた違う面白さがあって、作品と同じカットを見つけられれば「成功」であり、巡礼を目的としたサイトも沢山存在する。

しかし気をつけたいのは「この作品はどういう過程を経て撮影したのか」ということ。
単にビデオカメラを置いて撮影開始ではただの盗撮である。たった数秒のカットでも道路使用許可を申請し、管理物件に問い合わせて承諾書を貰い、やむを得ず個人宅が写るなら一軒一軒了解を得て初めて撮影に入れる。
その内1つでも許可・了解を得られなければ撮影は見送られる。許可が下りない理由も様々で、他のイベントや工事等と日程が重なる、ストーリーが周辺地域の印象を左右する、一部の住民が嫌がっている等、本当にシビヤな所まで気を配るのである。
これがSF映画ともなれば更に工程が複雑になり、2秒の撮影に2ヶ月掛かったなんて話もある。

個人レベルの観光でそこまで気にする必要は無いが、仮に個人を特定できる写真を撮ってしまったらどうだろう。
明らかに敷地に入らないと撮影できないカットを承諾無しに撮りたいと思うだろうか。
交通事情に影響しないか。住民の方々から不審に思われないだろうか。そして何よりも「作品にどう影響するか」かどうかだ。

少し前に、ロケ地の学校に不法侵入した事例があった。中には器物破損・盗難といった心無い人も居た。
そういう場合、張本人の信用どころか折角の作品の印象を下げてしまわないだろうか。
別の側面として(これが一番言いたい事だが)、巡礼サイトではお約束の作品の一場面と対比した画像が掲載される。
よく見られるのは「地主の許可を得ています」「著作は〜に起因します」だが、作品の一場面の画像はどこから持ってきたのか書かれていない。
モラルの話ではあるが、足が付く仕方でキャプチャーしたのであれば立派な盗用、詰まるところ著作権侵害である。

そこまで神経質になる必要はない、と言い切れるだろうか。
プロダクションもある程度目を瞑っている、個人の判断に任している部分もある。
しかし、不本意ではあるが訴訟せざるを得なかった事例は珍しくはない。
そうなってしまわない為に最低限のマナーは守って楽しく観光、「巡礼」したいものだ。

例えば…

IMGP1419.JPG

この画像、分かる人には「あっ!」となるが、作品を知らない人には単なる景色である。
元になった作品の1カットを掲載すればどちらの人も楽しめるが、そこにはモラルが付きまとう為、掲載するかしないかはその人の良心に任される。
そして「お好み焼き『与作』」と明らかに特定できる看板も写っている。
実は撮影する前、オーナーに一声掛けて了解を得ているのだ。
別に声を掛けなくてもよかったかもしれない。大きな問題には発展しないかもしれない。
でも「不審に思われないだろうか…」と少しでも感じたのであれば一声掛けた方が良いだろう。
「最低限のマナー」というのは幅の広いものである。


長々と書いてしまったが、要は「写真1つにも気を配って」みようということ。
気分が高揚するとつい忘れがちになる周りへの配慮。もう一歩踏み込んで慎重になってみよう。
楽しく「聖地巡礼」できるよう心掛けたいものだ。

ちなみに「与作」のオーナーはとても感じの良い人で「写真?構わないよ。『あそこのおっちゃん良い人やで』と書き込んどいてよ(笑)」と言っておられた。お互い笑顔になれたのであった。

【01/26追記】
ここも背景が学校、お隣が交番という場所なので、交番にアポイトメントを取っている。
どうしてもアポが取れない場所は常識の範囲で撮影しよう。

130126-125321.jpg
posted by ビター at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記
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