デンマーク製のLEGOはオモチャとしての精練度が高く、子供の創造力に良い影響をもたらすとして数々の賞を受けている。それだけに少々お高いオモチャではあるんだけれども。
フィギュアに名前を付けたりして、レゴの街のお話を作って遊んだものである。

ただ現在の日本において、LEGOの名前を知ってはいてもほとんど遊んだ事のないお子様の方が多い。
どちらかと言えば自分みたいなある程度年齢を重ねた「元子供」にしか伝わらない魅力が大半を占めている。文化的な違いもあるのだろう。
海外では馴染みのあるタートルズやワンダー・ウーマンを日本の子供たちがどれほど知ってるのだろうか。
それだけに予告編のトンデモ感は凄かった。「今でしょ!」や「激おこぷんぷん丸」は無いだろうと。
おそらく広報も相当苦労した苦肉の策だったんじゃないかと思う。

まあ観始めると予告編の心配は要らなくなったんだけれども、とにかく映像の造り込みが凄くて圧倒されるばかり。
建物や背景はもちろん、炎やレーザービーム、爆発の演出までもが全てレゴブロックで演出される。
単にブロック形状にしただけではなく、キャラに合わせて「ツブツブ」形状の比率が統一されているのもすばらしい。
大半は3Gモデリングによるものだが、本物のブロックを用いたカットもあるらしく、更にはキャラの動きをワザとコマ撮り(ストップモーション)っぽくしているのも泣かせる。
監督自身もLEGOが大好きで育ったそうだから、そうそうそんな風に遊んだよ!というポイントをよく分かっていらっしゃる。
強いて言うなら、せっかくの映像美を堪能する暇も無いほどテンポが速いところか。日本人が造ったらもう少しのんびりした映画になっていたのかなと思う。
それだけに文化のズレを多少なりとも感じる作品でもあった。
とにかく、LEGOで育ってLEGOが大好きな人が造った映画であるから楽しめる層は限られるかもしれないが、それでも映画として十二分に面白いし家族で観るのもいい。
最後に大きな仕掛けが待っているので、なるほど!と心の中で叫んじゃってください。いや声に出しても良いですよ。